虎の事件簿

No.34 明大・一場靖弘投手への裏金授与問題

2004年、阪神が獲得を目指していたドラフトの目玉、明大・一場靖弘投手。6月中旬に巨人入りを表明しており、阪神入りは絶望的となった。
しかし、8月13日、巨人スカウトによる金銭授受問題が発覚。その責任をとり渡辺恒雄オーナーが辞任を表明。「栄養費」の名目で200万円の現金を受け取ったという一場。これで巨人入りは消滅、一度はフラれた阪神に再びチャンスが訪れた。


阪神以外にも横浜とヤクルトが一場獲りに動く。が阪神は明大OBの星野仙一SDが直接出馬。熱いラブコールに一場の心もタテジマにかたむいた。
9月の終わりには、交渉を続けてきた横浜に対し、一場側が断りの連絡を入れたということで、阪神入りが確実になる。
しかし一転、10月15日には「やっぱり在京球団がいい」と心変わりを告白。阪神は再びフラれ、横浜入りが濃厚となる。


ところが22日、今度は横浜のスカウトによる一場への金銭授受が発覚。「栄養費」「タクシー代」として60万円を渡したとして、横浜・砂原幸雄オーナーが辞任を表明。一場の横浜入りは消える。
そして翌日には阪神スカウトによる金銭授受も発覚。「車代」「食事代」として25万円を渡していたという。久万俊二郎オーナー、野崎勝義社長が辞任するという非常事態に。


3つの球団から金銭を受け取り三つ又をかけていた一場。事の重大さにようやく気付き「頭がパニックになった」と会見で謝罪をしたが、それでもプロ野球でプレーをしたいと話す。
結局、新規参入となった「東北楽天ゴールデンイーグルス」が自由枠での獲得を明言。ダジャレのような「楽天・一場」の誕生となった。


一場靖弘(いちば・やすひろ)

1982年7月5日生まれ/群馬県吾妻郡出身/桐生第一−明大
右投右打/投手/183センチ、82キロ
小学3年の時「太田ジャガーズ」で野球を始め、5年生で投手となる。桐生一高2年の1999年には、正田樹投手(現日本ハム)の控えとして甲子園で全国制覇
明大では1年春からリーグ戦に登板。通算52試合26勝15敗、奪三振は東京6大学歴代5位の379個。2003年秋の早大2回戦で自己最速の154キロをマーク。2004年6月の全日本大学野球選手権では、史上4人目の完全試合を達成。
巨人・横浜・阪神のスカウトからの金銭授受問題で明大野球部を退部。


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